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ラバーキャスト

シリコーンゴムとラバーキャスト

まだまだ暑いですな。こうも暑いと外に出かけるのもはばかれますが
そもそも、世の中はコロナで外出がはばかられる状況ですから、巣ごもりするしかないないのでしょうか?レジャーなんかは全滅なんでしょうか?
たしかに今年は海水浴場もクローズされているところが多く、身近なところでは、大阪の二色の浜海水浴場なんかも開設されず、例年はビキニの女子高生であふれているのですが海水浴場エリアの設定すらされず、人出も例年の1/4~1/3ぐらいという感じです。
そんな中で釣り(フィッシング)は活況らしいです。当社のお客様で釣りの疑似餌(ルアー)でメタルキャストのメーカーであるセカンドステージさん(http://secondstage01.com/)にお聞きすると、さすがに自粛要請期間の4月は先行きが不透明だったそうですが、自粛が明けて以降は比較的いい感じで釣り具市場は動いているそうです。

たしかアウトドアで海際では密になりようもありませんし、あまり騒々しく行うスポーツでもないし、何といっても解放感あふれてのんびりリラックスできるとなれば、今のご時世にぴったりのスポーツ・レジャーかもしれません。

さて、メタルジグと言えば、金属製の疑似餌(ルアー)ですが、そのセカンドステージ様とゴム屋の弊社にどんな関係があるのか?それがタイトルにあるラバーキャストです。

皆さん、ラバーキャストって言われても初めてお聞きになる人がほとんどでしょう。
ラバー:ゴム
キャスト:型にとる。鋳造する。
つまり、鋳造の一手法で、溶けた金属を型に流し込んで製品を作るのですが
その型にゴムを利用した手法がラバーキャストです。
よくアクセサリーなどの製造にも使用されるようですね。

と言っても、わたしもセカンドステージの中村社長にお問合せをいただくまで
まったくといってよいほど、このような用途にゴムを使用されているのを知りませんでした。

ラバーキャストでの金属製品製造方法は、円形の未加硫ゴムに製造したいもの(セカンドステージ様の場合は、ジグ(ルアー)の原型モデル)を押し付けるなどして、原型を転写します。
その後、そのゴムに加熱して硬化(架橋)させれば、ゴム型の完成です。
原型と同じ空間がゴムの中にできたことになります。
ゴム型は円の中心部に穴が開いており、その穴から製品本体に向かって、材料の通り道が彫ってあります。

さて、実際の製造ですが、このゴム型を遠心分離器にセットして、高速回転します。
そして、中心の穴部分に溶けた金属を流し込みます。すると遠心力で溶けた金属が製品の形に充填され、冷えれば製品の出来上がりというわけです。

さて、その型に使用されているいるのが弊社が得意とするシリコーンゴムというわけです。
たしかにシリコーンゴムは一般的に他のゴムに比べてダントツに熱に強い素材ですし、他のゴムよりも未加硫段階で柔らかいので、まさにこの用途にうってつけの素材と言えるでしょう。

この案件は弊社のHPをご覧になられたセカンドステージ/中村社長からご連絡を頂いたことで始まりました。
というのも、現在ラバーキャスト用材料はアメリカ製か中国製が主流ですが、ロットがそれなりに大きいのと、素材に対して、なんらリクエストを聞いてもらえないということに中村社長は問題を感じておられて、同じような材料を国内で調達できないかとという思いからご相談をいただいたわけです。

聞けば、溶けた金属の温度は300~400℃とのことで、さすがに熱に強いシリコーンゴムでもこの温度ではなかなか耐えられないと思います。実際に中国品では製造した金型は200回ぐらい使用するとひび割れて、また最初の型作りから必要となるとのことでした。中村社長からはその耐久性をもっと上げれないかというポイントと小ロット対応の2点をご相談頂きました。

そこで、何度かテストと打ち合わせを重ねて、耐熱性向上とコストとを両立させたラバーキャスト用素材の開発に成功しました。
実際にセカンドステージ様でお使いいただいていますが、価格面についてはアメリカ製素材の約1.3倍、中国製品の2倍ぐらいと高価格ではあるのですが、それらの海外製品が200~300回使用すると上述のようにひび割れて使えなくなるのに対して、弊社のラバーキャスト用材料では1,000回使用しても問題なく使用できるとのことです。
材料の価格差を覆すだけでなく、型製造の手間を考えれば大きなメリットがあることは間違いありません。

当社としても、まったく知らなかったジャンルでシリコーンゴムが使用されているのを教えていただいて、また、その用途にご満足いただける商品を開発できたことは興味深い事例ですし、非常にセカンドステージ/中村社長に感謝しています。

ということで、弊社ではこのようにセカンドステージ様と共同開発したラバーキャスト用シリコンゴムを一般にも広く販売しております。
もしご興味のある方は、どうぞお問い合わせをよろしくお願いします。

ただし、釣り具関係業界の方には、セカンドステージ様を代理店として販売させていただいておりますので、そちらの方は、セカンドステージ様までお問い合わせ下さい。
セカンドステージ様では、単に材料販売だけではなく、型製造から鋳造までのアドバイスも頂けると思いますよ。

また。今回の事例のように、弊社ではゴムと新しい用途の出会いを求めております。
なにか少しでもご相談いただけることがあれば、お気軽にお問い合わせをお待ちしております。

ラバーキャスト用シリコーンゴム問合せ先
一般:山森商事株式会社:info@e4-rubber.com
釣り具関係:セカンドステージ:http://secondstage01.com

その他のお問い合わせも山森商事株式会社:info@e4-rubber.comまでお待ちしております。